ムートンシューズが生まれるまで。

ムートンシューズが生まれるまで。

3年かけて辿り着いた、ひとつの“形”。

SWAAN4RLBERGのムートンシューズは、発売までにおよそ3年という時間をかけてつくり上げられた一足です。

「天然ムートンでレースアップシューズをつくりたい」

デザイナーのそんな想いから始まった、この試み。
けれど、理想の“形”に辿りつくまでは決して簡単ではありませんでした。


ふわりとした素材と、向きあうところから始まった。

ムートンには扱いやすい人工素材もありますが、
ふわふわした質感が強いものだと“ぬいぐるみ”のようになり、
私たちがつくりたい「大人のレースアップ」の雰囲気から離れてしまいます。
そこで選んだのが、上品さとあたたかさを兼ね備えた天然ムートン。

ただ、この素材はそのまま靴にするとボリュームが出すぎるという課題がありました。
「ふわふわなのに、すっきり見えるかたち」をつくること。
そこが、最初に直面した大きなハードルでした。


“SWAAN4RLBERGらしさ”を守るために。

ただのムートンブーツではなく、「SWAAN4RLBERG のレースアップシューズ」をつくりたい。
この一足に込めた意図はそこにあります。

大人の装いにすっと馴染んで、だけど少しだけ特別に映る佇まい。
そのためには、シルエットの美しさが欠かせませんでした。


やわらかすぎるからこそ、工夫が必要だった。

天然ムートンの魅力は、そのやわらかさ。
けれどその反面、靴としての“立ち上がり”が出にくいという弱点があります。

そこで、
内側(ライニング)には豚革を、外側のムートンとの間には補強材となるパーツを重ねる構造に。

こうすることでムートンの柔らかさはそのままに、
靴としての形がきれいに立ち上がる設計へと近づけていきました。


シルエットを美しく見せるための、繊細な工夫。

デザイナーがもっともこだわったのは、
ムートンの柔らかさを活かしながら、“美しいシルエット”をつくること。

その鍵となったのが、天然ムートンをラスト(木型)に“ちょうどよく沿わせる”という工程でした。

素材を押さえすぎても、浮かせすぎてもダメ。
この絶妙なバランスを求めて、何度も試作を重ねました。


このシルエットに辿りつくまでの、小さな発見。

試作を重ねるなかで分かってきたのは、
「どれくらい厚みを持たせるか」「補強材を入れる位置や大きさ」など、
一見すると気づかないような細かな要素が、シルエットに大きく影響するということでした。

こうした小さな発見をひとつずつ積み重ねることで、ムートンならではの“ふわり”とした表情を残しながら、《履いたときには、すっきり整って見える》SWAAN4RLBERGらしい、スマートな佇まいに近づいていきました。


つま先の“ふっくら”とした立ち上がりに込めた意図。

最後まで調整していたのが、つま先の立ち上がりラインです。

ボリュームを出しすぎるとスリッパのように見え、抑えすぎるとムートンらしさが消えてしまう。

すっきり見えるのに、やさしい表情がある。
その絶妙なラインをつくるため、つま先の“ふっくら”具合には特にこだわりました。


時間をかけて、冬の一足になった。

天然ムートンの心地よさと、SWAAN4RLBERGならではのきれいなシルエット。
どちらも譲らずに完成したこの一足は、冬だけの特別な存在です。

履いた瞬間のあたたかさ、鏡に映る“ちょうど良い佇まい”。
時間をかけて向き合ってきたからこそ、こうしてようやくお届けできることを、うれしく感じています。


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